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夷川発電所(えびすがわはつでんしょ)[Ebisugawa Hydropower Plant]

所在地
 左京区
 
選定番号
 第8−038号
  


推薦理由(抜粋)
 琵琶湖疏水の水を利用する発電所。建物は大正3年(1914)完成した建物は煉瓦造平屋建てで,室内には発電機が置かれ,小規模な建物ながら,窓のアーチや入口両脇の装飾など,丁寧にデザインされている。近代化を進める京都の様子を伝える重要な建物である。



認定番号
 第250号

認定理由
 夷川の地は近世以来、聖護院村に属し、聖護院大根・聖護院蕪などの野菜の産地として知られていた。明治23年(1895)の琵琶湖疏水の開削に際しては、南禅寺船溜から鴨川への運河の勾配を調整するために造成がなされた。当時、夷川通に因んだ住所表示がなされていた同地には、疏水の建設時に疏水と鴨川の水位を調整するために、通称、夷川ダムが設けられた。夷川船溜から地形が一段下がる部分には、放水路と舟運のための閘門が設けられた。
 大正3年(1914)には、夷川閘門の北側に水位差を利用して水力発電を行う夷川発電所が建設された。第二琵琶湖疏水の建設によって増加した流量を利用した第二期蹴上発電所からの放水を利用することを意図していた。夷川ダムの周辺には、水車動力を利用する繊維、機械、伸銅、食品などの工場が集積していたが、明治の終わりからは電力利用が増加していき、夷川発電所による発電も貢献した。
 発電所の建屋は、煉瓦造平屋建で、東西12.6メートル、南北8メートル。陸屋根である。東側に一段低く9.5メートル四方の張り出し部分が付いている。北側面は一段掘り窪められた部分に入口が配される。モルタルと自然石によって赤煉瓦の外壁に白いラインを水平に入れて、窓を上下2段に配する。東側、南側は、櫛形アーチの窓の上部に花崗岩の要石、迫持石を施す外観となる。軒まわりは小さなブラケットを並べてコーニスをめぐらし、上部にパラペットを設けている。内部は高い天井を有する平屋建ての空間である。天井は、鉄骨とコンクリート床版を組み合わせたと考えられる耐火構造の波型スラブとする。建屋の西半分には発電機、配電盤など、一段天井高の低い東半分には横軸型水車などを置いている。
 夷川発電所は第二琵琶湖疏水の開削による発電量の増強を担うためにつくられた大正期の建物が現存し、発電施設が今も現役として稼働する。三大事業における市電の敷設などの他、周辺地域の工場群にも貢献し、京都の近代化を支えた重要な施設として高く評価される。



 国指定重要文化財(建造物)


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