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| 所在地 左京区 |
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| 選定番号 第14−005号 |
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| 推薦理由(抜粋) 明治41年(1908)に甲南学園・初代理事長であった田辺貞吉が、建築家野口孫市の設計により神戸に建てた邸宅。阪神・淡路大震災で損壊し取り壊しが決定していたが、建築史学会などの努力により、平成9年(1997)に移築・再生保存された。専門家による調査を基に、建築当初の姿を再現して建築している。 認定番号
第260号 認定理由 武田薬品京都薬用植物園展示棟(旧田辺邸)は、明治41年(1908)、田辺貞吉の邸宅として兵庫県住吉村(現神戸市)に建築された。田辺は、沼津藩士の家に生まれ、東京府師範学校校長などを経て、明治14年(1881)に住友本店に入社した。住友銀行総支配人をつとめ、引退時に建てたのが旧田辺邸である。当初は洋館と和館からなる構成で、洋館の設計は野口孫市による。野口は住友本店臨時建築部に入社し、住友家須磨別邸、伊庭貞剛邸(現住友活機園)など住友関係の建築を手掛けた。アーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受けた作品を残しているが、旧田辺邸もその一つであった。大正4年(1915)に旧田辺邸は住友分家の新居となり、洋館を残して和館は改築された。その後も大正14年(1925)に住友本家の邸宅となり、敷地内で曳家されたが建物は継承された。平成7年(1995)の阪神淡路大震災によって被害を受けて取壊される予定であったが、指宿真智雄氏らの保存運動の結果、同9年(1997)に武田薬品の支援を受けて同社の京都薬用植物園に迎賓施設として移築されることになった。その後、園内で曳家され展示棟として活用されている。 建物は木造2階建で、勾配の強い桟瓦葺の屋根である。外壁はハーフティンバーで、南側面の2階部分はシングル葺の仕様とする。被災時の建物は大きな増築がなされていたが、一部増築部分を含む当初の空間が移築された。方位はほぼ踏襲されており、北側に玄関を配して、階段を設けた玄関ホールを設ける。当初、ホールの東側は書斎であったが、移築時に両室をつなげて広いホールとした。ホール南側にラウンジ(旧食堂)、テラスが配置される。2階は階段室の周囲に寝室、客室であった3室が配置され、北側室が玄関ポーチの上に載る構成となる。最も意匠的な見どころとなるのは2階東側室である。台形状のイングルヌックの入口をアーチの壁面で区切り、釉薬タイルを用いた木製マントルピースを備えている。天井は、木製の桟で長亀甲紋と正方形の模様をつくる装飾的な意匠である。これら内装材は移築時に極力再用された。一方、構造材は震災による被害を受けて、当初よりも径の太い新材を用いている。 神戸に建てられた野口孫市のアーツ・アンド・クラフツの影響を受けた住宅作品として貴重であることに加え、各所の努力により大震災の被害を乗り越えて移築再生した歴史的建造物の保存事例としても重要である。 | |
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