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所在地 右京区 |
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選定番号 第9−043号 |
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推薦理由(抜粋) 宇津郵便局舎として昭和10年に建築された木造2階建の洋風建築。1階に郵便局の窓口や執務室、2階には和室などの生活空間が設けられた。郵便制度の整備のため、政府が地域の素封家に世襲権を与えて開設させたもので、地域の近代化の歴史を語る。 認定番号
第240号 認定理由 旧宇津郵便局は、周山から南丹市八木に抜ける街道沿いである右京区京北町宇津地区に所在する。宇津郵便局舎として長年用いられた建物である。郵便制度の整備のため、政府が地域の素封家に世襲権を与えて開設させた郵便局に当たる。御幣が残り、大工・上堅國太郎により、昭和10年(1935)10月に上棟したことが判明し、同年の局開設のために新築されたことが分かる。現在は北隣に郵便局は移転して所有も変わり、住宅として活用されている。 建物は木造2階建、瓦葺、寄棟造で、〒マークの付いた鬼瓦が現在も残っている。石垣を築いて一段上がった敷地で、ほぼ南面する国道沿いに玄関を設ける。張り出した玄関部分はモルタル仕上げで2階にベランダを設ける。残りの部分は下見板張りの外観である。1階は郵便局舎のつくりが良く残り、表側に客用の土間があり、カウンターを挟んで奥に執務室(広間)であった板間が配される。西側には「休養室」と記されたガラス扉が残り、現在台所に改修された空間が局員の休憩スペースであったことが分かる。旧執務室は約15畳大で、天井を合板仕上げとし、真壁造の壁の腰部分に板を張る。玄関脇には電話室であった空間が残る。2階は東側列に和室2室、西側列に大小の洋室が2室設けられている。表側の6畳間は床と違い棚を備える。落とし掛けに竹、アカマツの皮付を床柱に用いるなど数寄屋を加味した床周りである。この和室の表側には増築部分と考えられるベランダが設けられている。表側の6畳大の洋室は、簡素ながら中心飾を備え、腰に竪板を嵌める意匠である。1階を郵便局の執務空間、2階を生活空間とした郵便局舎であったと考えられる。 京北地区には戦前期に遡る洋風建築は極めて少なく、その一つとして貴重な建物である。現在の特定郵便局に当たる職住一体型の郵便局舎が現存し、地域の近代化のシンボルともなった建物として重要である。 |
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